2018年10月9日火曜日

またしてもサーモスタット(BMW E39)(その1)


また水温が、こんなですよ。



ある朝、ああ調子いいなあ、ずっと調子いいままでいてくれたらいいなあと撫でこくりながら運転してたら、突然水温計の針がぴょん…ぴょん…と上がりだして…。やばい!

この水温計、針がスムーズに上がるのではなくて、ぴょん…と一足飛びにあがるんです。
心臓に悪い。

急いで家に戻り、取り敢えず路上で往生は避けられましたが。

エンジン冷えてからチェックするも、冷却水が減ってる様子もなく。


二〜三日、エア抜きを試みては暖機を繰り返すのですが
暖機中は安定しているのに、「もう大丈夫だろう」と走り出すとすぐに上がりだす。

上がりだしたら、取り敢えずヒーター全開にすると一時的に水温が下がります。
そのすきに家の駐車場に入れる。

「こりゃたぶん、というか十中八九、サーモスタットだなあ」
2年前に取り替えたばかりなのに。

などと考えながら、まだ少しエア噛んでるんじゃないかと
エア抜きバルブを緩めてると…



エア抜きバルブが折れた。

また折れた…。

クーラントのエア抜きバルブ(樹脂製)
もろこしのようにもげる。

締めすぎてもげたのでは断じてないんです。

エア抜きしようと「緩め始めたら」突然

「ブシューッ!!!!!」

って大間欠泉が生誕し、とっさに逃げて右手に握りしめたドライバー見たら、ネジ頭だけくっついてた。



高温高圧にさらされているせいなのか、ドイツ人の樹脂に対する意識がトンマだからか、とにかくたった2年でこのありさまだい。


周囲には「もう寿命じゃねえの?」と言われてますが、欧州車のお水回りはクルマの寿命じゃねえんです。

計画的陳腐化という名の、資本家による労働者搾取の陰謀であります。

先生、サーモスタットは消耗品ですか?
2年4万キロで交換するもんですかい?


というわけで、部品を取り寄せて、サーモスタットとそのハウジング、ウォーターポンプ、ガイドプーリー一式交換作業に入りまする。


2018年9月18日火曜日

BMW(E39) 窓落ち修理(左後部ドア)

ビーエムさんは、もう1年以上も後部座席のパワーウィンドウが使用禁止になってました。
まあ、これがなければ走らない訳でもなく、直す時間がなかなかとれず、放置が続き、とうとうこんな季節に。

半日だけ空いて、気温も落ち着いてきたので、やっと手をつけました。
やり方はググったりYouTubeを徘徊したり。
いい時代だ。

やり方はそれほど難しい訳ではなく、レギュレータのユニットを取り寄せ、モータを載せ替えてリインストールするだけ。

ただ、ものすごくめんどくさかった。
サイドバイザーを剥がし、内装を剥がし、窓のサッシを外し、ガラスを抜き取って、それからやっとレギュレータユニットの取り外しにかかる。

ガラスの抜き取りはそれほど難しい作業ではありませんでした。

さて、この記事の本題は、レギュレータ交換のやり方を指南するのではなく
「なぜドイツ車はこうも窓落ちするのか」であります。

2018年型ともなれば、きっと窓落ちなんてのは昔話なんでありましょう。
しかし、少なくとも2010年以前に限っては、BMWもベンツもVWも、競うように窓落ちするのであります。

窓落ちを経験してないクルマに出会ったことがない。

それぐらいです。

その原因は、これです。


窓落ちした古いレギュレータ


新品の交換ユニット

拡大すると……



古いの。



新しいの。

おわかりでしょうか。
下の新品は爪があって、ワイヤをガッチリ掴んでますが、
古い方はひしゃげてフリーになっています。

この爪の裏に窓ガラスが乗っかっていて、過大な負荷がかかると、爪が折れるようにできてるのです。
爪が折れると、窓は落ちる。

子どもなどが手や首を出したまま窓がしまった時の安全装置とも言われていますが
なんとも原始的な安全装置です。

別に僕が首を挟んだわけじゃありません。

犯人はウェザーストリップです。

気温と湿度があがってくると、窓の上下が渋くなってきます。
その原因は、ウェザーストリップが膨張して、窓の上下を妨害するんです。
そのテンションが、この爪の強度を超えると、クニャっと折れちゃう訳です。

そういうことが起きるたびに(そうそうあってはならないが)、レギュレータが自分でぶっ壊れて、莫大な工賃と部品代をディーラーに落とさせるわけです。

がっぺむかつく。

最新型はきっと緊急時には電子制御でスマートに窓が開くようになっていることでしょう。

さて、次に時間ができた時は右後部ドアのレギュレータ交換をやります。


すんごくやりたくない。


追記:ビーエム…ていうかドイツ車ってトルクスネジがすごく好きみたいで多用されてるので、トルクスのT20あたりを中心にいくつか用意したほうがいいです。あとはへんてこなネジが一個ありますが、M10のボックスでどうにかなる。

2018年7月6日金曜日

描かせてもらっている

うんうん唸りながら、キャンバスに向かいます。
とにかく絵の具を置いていく。
構成も構想もない。
いや、ないのではないのです。

僕の奥底に眠っている。

でもそれは、自分の意思では出てこない。

無心に絵の具を置いていく。
無造作に、ていねいに
ランダムに、規則的に


そうしてもういい加減、疲れて
キャンバス(実際には板です)の前で途方にくれながらぼんやりする。

そうすると、画面になにかが浮き出てくる。
「これを描きなさい」という声が、してくる。

「はっ」として、急いで形を整えていく。
次第に声もはっきりと明確になっていく。


ムム、置いた色の中から、誰かが呼んでいる。

聞こえなくなったら、また筆を置く。
ぐっと溜めて、パッと描く…ぐっと溜めて、パッと描く…
この繰り返しのリズムがだいじ。

近頃はやっとこのリズムがつかめることが増えてきた。





最初は、戦国武将?
いや、なんかそうじゃないな。表情はそんなに険しくない。
神官にも見える、鳴弦かな。
あれれ?ご先祖?
…という具合に、だんだん見えてくる。

一見、怖いように見えるけれど、ちっとも怖い絵ではないのです。
なにかを見据えて、守っているようにも見える。
なにか差し伸べている…手か。
エネルギーはスゴイ。

という調子。

描かされている。
描かせてもらっている。