2014年7月11日金曜日

Monte Cristo No.1




Monte Cristo No.1 
サイズ:ロンズデール(165mm×16.7mm)
原産国:キューバ
喫煙時間: 約70分(通常)、100分(後述パイプ使用時)

モンテ・クリストのNo.1もしくはNo.3ばかりになってずいぶんと年月が経つ。
そうは言っても常喫できるほど手軽なシガーというわけではないので、節目の定番として愛用している。

2014年現在、日本でのハバナシガー売上のトップはモンテ・クリストだそうだ。久しぶりに訪ねたタバコやさんが教えてくれた。
ヨーロッパでは長いことトップだそうだが、私が初めてプレミアムシガーの味を知った20年近く前はそうではなくて、ロメオ・エ・フリエータかコイーバがメジャーで、モンテ・クリストは上級者用と言われていた。
つまりはモンテ・クリストが売上No.1になったということは、それだけ日本でもシガーの味を良く知る人が増えたのだと思う。

なぜ当時、ロメオ・エ・フリエータやコイーバが人気だったかというと、1にも2にも知名度が違った。
ロメオ・エ・フリエータは文字通り「ロミオとジュリエット」で、覚えやすさと銘柄の絵柄で人気があった。
コイーバももちろんカストロ首相愛用という知名度はあるが、後にアイドル系若手俳優がドラマの中で手にして更に人気に火がついた。

どちらもモンテ・クリストと並んでハバナを代表するシガーには変わりないが、モンテ・クリストに比べれば喫味が爽やかで上品だ。特にコイーバはくせのない甘い味と特徴的なアロマがずっと続くので、初めての人にはおすすめ。これでハバナにハマる人は多い。ただ慣れてくると若干物足りなくなることがある。

比してモンテ・クリストはどのサイズも総じてやや土臭く、熟成の深い男性的な喫味のため、初心者にはやや向かない部分もある。
しかし一度モンテ・クリストの深みを味わうともうもどれない。

それでもこの「No.1」はまだマイルドな方だと言っていいかもしれない。
序盤はいかにもハバナらしい甘やかで香ばしい干し草のような喫味。
葉巻の本来の甘みとは、モンテ・クリストが持っているそれのことだと思っていい。
しかしその奥にはガツンとした刺激が芯のように一本通っている。
これはコイーバにはないものだ。コイーバはそういった野趣を極力抑えて、ハバナの上澄みのような味。ロメオはもう少し散漫でほどよいスパイシーさが持ち味。

クライマックスは中盤以降、アロマが熟成感を増して荒々しい芳香を放つ瞬間にやってくる。スパイシーでこっくりとしたアロマのオーラが終盤までずっと自分にまとわりつく。
プレミアムシガーの醍醐味と表現するのにふさわしいアロマの時間が長いのが、「No.1」の特徴。
終盤は次第にスパイシーさが勝ってくるが、辛味や金属臭はせず非常に上質だ。アロマが本当に長持ちするシガーだ。

ここで裏技をひとつ。
ショートスモーキングパイプ(私はフカシロのボウル径17mmタイプを愛用)が手元にあれば、ぜひそれを活用してほしい。
普通の「咥え」のスモーキングだと3/5あたりで「もうそろそろ終了だな」と感じる。

その時点で、ショートスモーキングパイプに差し込んでしまう。
そうすると喫味が少し戻り、マイルドに変わるのを感じることができる。その時、ドロー(吸い)よりもブロー(吹き)を意識的にするとアロマを更に長く味わうことができる。結果的に9割まで喫することが可能になる。最後まで吸えるのはパイプスモーキングだから当たり前なのだけれど、それだけでなく吸口が遠く細くなることでスムース&クールになるためで、スパイシーさがエグみや辛味に変わる時間を遅らせて「咥え」ではあまり味わうことがない「アロマの底強さ」を味わうことができる。(甘みは既に消えているのでご注意を)
パイプの径をシガーの径に合わせる必要があるが、ロンズデールやコロナなら17mm径パイプが使える。(モンテ・クリストの場合1,3,4)

人前では格好の問題でなかなかできることではないが、書斎で燻らす時にでもぜひ試してみてください。

モンテ・クリストに限らず、プレミアムシガーは湿度管理が非常にシビアだ。私も気をつけていながら、ついつい大事にするあまりラッパーをひび割れさせてしまう事がある。自前で良いヒュミドールがない時は、シガーはヒュミドールのあるお店で買い、数時間以内に味わってしまうのが良い。シガーは生もの。

2100円/本(2014)







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