2017年8月21日月曜日

浸透力、固着力


相互の浸透力、癒着力、固着力は、分子レベルなのか物質レベルなのかによってまるっきり話が違ってくる。

そこに重力や表面張力も含めたら、まるで違う世界の出来事になっちゃうのです(比喩)。

「喩」って漢字難しいな。



写真は、水晶を散りばめた作品の表面をななめから撮ったもの。


水晶のサザレは、表面がとても滑らか。
滑らかだから、接着、定着剤として使っている樹脂が、きちんと固着するのがとても難しいのです。

始めて7年ぐらい経ちますが、未だに試行錯誤の途中。
透明度と固着力の関係もなかなかにシビア。
絵の具や接着剤、樹脂の成分同士の相性もシビア。
粘着力と強度の関係、作業効率と固着力、修復作業性の関連もかなりシビア。
あっちを立てればこっちが立たずの連続です。


それでも、最初は到底無理だと思っていた、50号以上の大作にも、水晶サザレを使うことができるようになってきました。

美術・芸術は、その場で美しければ済むというものではなく、製品としての耐久性や環境性能もちゃんとしている、つまり持続性のあるものとして存在するべきだというのが、僕のささやかな持論です。

その半面で、丁寧に扱わなければ破損する危うさや脆さも必要だとも思っています。必要というか、まあ、仕方ないよね、という許容。

ぞんざいに扱っても何でもないというようなものは、道具にしても美術品にしても、あんまり大切にはされない。

愛されるから大切にするというのと同時に、やさしく正しく扱ってこそ、愛され続けるという側面も、モノはすべからく持っているものです。

もちろん、バランスです。






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