「絵には完成がある」
子供の頃から先輩や大人に「絵にはこれで完成ということはない」と言われて、素直に「そうなんだね」とずっと信じていた。
でも、実際、あるよねえ完成。
The Morning Sun and Garden 227x158 |
これ以上いじったら絵がダメになる!っていう瞬間があるもの。
それで何度も失敗してる。
デザインの時は逆で、着地点がはっきり定まってるから、一見、完成は目に見えてるように見えるんだけど、製品になってからもこここうじゃないよなー、こうした方がいいよなあみたいな消化不良がいつもあって、終わりが全く見えない。
あべこべ。
「絵に完成はない」というのは、美術の先生がよく言いがちだった。
僕も美術教師の時はそう思ってた。
今考えると、絵を描くための十分な時間が取れないから、描き込みと寝かせが足りないからそう思ってたのかなと、なんとなく感じたりもする。
24時間ガチで作品と向き合ってると「この作品はあの辺が着地点だ」というのはけっこうはっきりしてくる。
それ以上やりこんでもろくな結果にはならないし、それ以前でやめてもダメみたいな照準というか。
いつまでも一つの作品にこだわってこねこねやり続けて「完成はない」と言ってしまうのは、自己の力量の現状を計り損ねているような気もしないでもない。
実際、どうにもうまくいかない作品ほど、いつまでもちょこちょこやってるもんなあ。
どんな駄作でも、その絵に相応しい完成形態というのがあるはず。
不必要な高望みさえしなければ「この作品の完成はどこか」という事は正確に把握できるし、それをちゃんと見つけてもらった作品は、どんな名作にも負けない光とエネルギーを放つはず。
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