2017年5月30日火曜日

完璧な顔は描きにくい


誰とは言いませんが、久しぶりに、要素の完璧(整った)な女性を見ました。

何が完璧かといって、お顔の要素の比率もなのですが、それよりもメイキャップ、ヘアスタイル、目線の流し方、ブラウスの開け方、間のとり方……。

モデルさん?

これは勉強になると思い、急いでスケッチを始めるのですが、何しろ相手は動きます。


僕は動くもののスケッチがニガテなのです。

そのくせ、なるべく写真は見ずに、実際目の前にいる人やモノを描きたいので、動かれるととても困る。

だからいつもあんまり動かない、おじいさんとかおばあさんとか花とか草とか、そんなのばっかりスケッチしてます。

本当は小さな子どもをたくさんスケッチしたいのですが、小さな子はひとときもじっとなんかしてくれません。
この問題はなんとかしないといけません。

話がずれました。

相手は画面の中の人。
まあ、すぐ気づきました。

「写真見て描いたって一緒だ」

すぐに静止画像にして描きました。
だからスケッチとは言えないかもしれません。落書きですね。

でも、すごく参考になりました。

まず、パーツの比率を完璧足らしめていた要因の一つは、メイクの巧さだということ。

これは、絵を描いているといつも実感することですが、ただ目鼻を描いても美しい顔にはなかなかならないのです。
陰影にデフォルメが必要になってくる。
絵を描く感性とメイクの感性は、かなり似ています。

いろんなメイキャップはありますが、僕にとって完璧なメイキャップというのは、それを素描にした時、メイクとして表現できない、顔の天然の要素として表現してしまうものをそう感じます。

メイクをメイクとして描いてメイクだと分かるのは、絵描きから見ればまあ、あんまり心に響いてこないです。

それにしても、あまりに教科書通りの比率をしているので、逆に描くのに苦労しました。
整い過ぎた顔というのは描きにくいものです。

ほんの一本の薄い鉛筆の線だけで、表情がすっかり変わってしまう。

人の顔の個性というのは、生きてきた人生の経験による、表情の癖による歪みやしわ、視線、そういうものがとても影響しています。

そういうのは年齢をある程度重ねないと出ては来ないものですが、この方のお顔は教科書みたいな、石膏像のような、全く人生を感じさせない顔です。不思議と。

描きにくかったです。

……いや、自分がヘタなだけか。






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