2011年4月17日日曜日

芸術と政治

芸術家や、芸術を希求し指向する人は
お互いに政治的でない限り
人種や国籍を問わず世界のどんな人とも仲良くできます。

政治的でないといっても、それは芯がないということではありません。
いろんな政治信条があり、哲学も違います。
宗教も。もちろん歴史認識も。

当たり前のことです。

そういう違いを乗り越えて
というよりも、そういう違いを言葉や態度で表してみたり
自分と違う立場である相手の領域に踏み込むのではなく
芸術という共通の言語を通じてのみ会話する能力。

真の芸術家には、そういう能力が備わっています。

愛、美、富、平和、調和、健康、喜び、自由
これらを希求して止まぬ姿勢、生き方こそが芸術の姿。
これを求めて戦い抜く限り
芸術は決して死なない。
芸術家はそのお手本にならなければならない。

特定の政治思想に自分を染めることなく
常に自由であらねばならない。
政治思想、体制、因習や常識や、ルールやモラルからもさえ
自分を解放して、真の自由を希求しなければならない。

逆に、ひとたび政治的な自分を決めてしまえば
芸術はたちまち光を失い
創造はただの手慰みに変わってしまう。
果ては芸術家本人もルサンチマンの犠牲となり
攻撃と防御に汲々とし
愛や美は見えなくなってしまう。

だから
芸術家は、何事にも支配されず
誰にも支配されず
その代わりに何事も、誰をも支配しない。

敵は他者にあらず、自らの心の中にあり。

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