(前回までのあらすじ) 何の因果か神様は、個展直前のわたくしに、所用急用の日々とクルマの故障を与え給うたのです。 これでは取材どころか、個展の打ち合わせもままならぬ。 艱難辛苦か現実逃避か、神のみぞ知る。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiUKQSfNWwV0y8QPlikJPmOeHFBoK5rd9jUh4URB1GYQyun3UwGKQ0-ju3u1f1QY4e3d5rPUVFnjkdTLGSZyhKw_YiBa3kkFGxMBAnpQxoTwF6E4ADQst0WtFkikXWFMHczaGcF1ubuRjce/s320/IMG_2065.JPG)
とにかく水温が上がるのはサーモスタットの固着で間違いないわけですが
ついでなので、以下の部品を取り寄せて、交換することにしました。
サーモスタット
サーモスタットハウジング
ウォーターポンプ
ファンベルトテンショナープーリー2箇所
手順は細かく書いてませんので、手順が知りたくてこちらに来てくださった方には参考にならず申し訳ないのですが…
簡単にプロセスだけは書いておきますか。
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アンダーカバー、エキスパンションタンク、ラジエータシュラウドを外す
ファンを外す(要専用工具)
サーモスタットハウジングにつながるアッパーホースとロワーホースを外す
サーモスタットハウジングを外す(M10、M13)
サーモスタットを外す
テンショナーを緩めてベルトを外す(M16の柄の長いボックスレンチ必要。ボックスの肉厚注意)
テンショナープーリー2つをそれぞれ外す(M16ボックス)
ウォーターポンププーリーを外す(M8)
ウォーターポンプを外す(M10の長めのぼるとを用意して、両脇2つの穴からエンジン側に締め込んでやると抜ける)
組み付けはこの逆順で。
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さて…
外したサーモスタットを煮てみる。
これで開かなかったらサーモスタット。
開いてたらウォーターポンプ。
どっちにしても交換するけど。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiYIi-kddyC8nTxbfY76b0VcsIk9hKsK6sxnXJ4-53bdPoDqLGYlfiFxZWy90tsmrhNCoyp_LyOlRODyvmQsFkJcqX5tI3xntFd2D9c2Wd_6Su7OnirMAQBac_OTUpNam8v-w042W3hCwO5/s320/q.jpg)
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全く開きませんでした。
メイドインジャーマニー、2年でオシャカ。
マジかよ。
ついでなので新品のおフランス製サーモスタットも煮てみました。
おふらんすとあっちゃ新品でも信用ならざるゆえ。
予想に反してちゃんと開きました。
(当たり前か)
なんとなく隙間が開いてるのがわかるでしょうか。
下の写真は、ウォーターポンプを外した跡のエンジン側。
ヘッド部分からちょっとオイルが漏れ始めているので、もしかするとと懸念していた冷却水へのオイルの混じりはありませんでした。安心。
ウォーターポンプ自体もキレイでガタツキもリークも無く、交換するのはちょっともったいないけど、予備整備のつもりで交換しよう。
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水回りの何がめんどくさいって、部品とエンジン本体の取り付け端面の処理です。
きれいにしないと漏れる。
オイルストーン でもスクレイパーでも取れない、石化した何か。ガスケットじゃない。カルキ?アルミのサビかもしれない。
最後はペンティングナイフでこそぎ落としました。
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これは古い方のウォーターポンプと、上に見えるのがサーモスタットの収まるところ。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgrWHeudo4NDGDsSzTkQBGQsQCY6vsn76VAjtKjjVQyj44RU8d1Fwjx3ijg6GDXJqHE2Z1gDCJ7TX49N6GBfohU8fdeLn2183r5ocZDyWi-7W7nswEgbjZ-99ILUScT1NkmyRBKJ3Rcf1UJ/s320/IMG_2058.JPG)
ウォーターポンプの比較。
どちらもインペラーはきれいだが、新しい方はさらにアルミ切削っぽい一体モノに黒メッキが施されてる。
まさか?とは思ったが、切削で作る何かしらの工程メリットがあったんだろう。
一時は樹脂製が流行った。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjbBQXqzZtzrg6vDWDClFPLikbh__eLXhuhz_5llvGtPXfxXvSRnCWgvtV9n8dtDwEonPGDeYPCVwaKye9a-5ejrRzzRpsn3D_aEIrzTeX-Ui-Bj4XrGsYjpMFyLs64RBPp7gKQINifKR1A/s320/IMG_2065.JPG)
上がサーモスタット、下がウォーターポンプ。
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サーモスタットハウジングは、樹脂製。こんなんで高圧高温の水を受け止めている。
液体ガスケットを塗ってるところ。
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WAKOSのガスケットは、昔一般的なガスケットが時間を置くので苦労してたのとは違い、速乾性でとても使い勝手がいいです。
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プーリーの組み込みとファンベルト掛けは、作業が2つぐらい同時進行なのでちょっとだけ手こずります。二人がかりなら簡単ですが、一人だと手が足りない。
手順としては、まず下側のテンショナープーリー(写真下側に見える方)を組み、次に溝ありのプーリーを全て掛けてしまってから、テンショナープーリーのM16ボルトをレンチでえいやと締め込むと、一時的にテンショナーが緩みますから、そのスキにまず下側テンショナープーリーにベルトをかけてしまいます。
その際、レンチとベルトの位置関係が干渉しますから、レンチにベルトをかけるような感じで作業します。
そして最後にテンショナーを最大限に緩めた(作業としては力づくで締め込んでいる状態)で、上のテンションプーリーを奥に押し込みつつ、ベルトをかけながら、真ん中のM16の長いボルトを締め込んでいく…みたいな手順でやると、一人でもうまくいきます。
おまけ2つ。
その1)
クーラントのエア抜きをしてる時に、ヒーター全開にするので暑いんです。
それで窓も全開にするわけですが…。
つい、まだ修理していない右後部座席の窓を全開にしてしまい、閉まらなくなってしまいました。(開けたら最後、ドア内部に落ちたまま閉じない)
後にひけず、結局そっちの修理も合わせてやりました。
片手間にやる仕事か……。
その2)
最後の最後、アンダーカバーを取り付ける際に下回りチェックしたら、ヤなものを見つけてしまいました。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhShXS6CRUnhLI0WC6o9iLO6rS1BkmQJgk1Hd7CoSEWOt94R63ATzZ9xGcSFgi11aKZ_4KzOg6E6gL1ZFXi3tmyMPzYdwxNo2ucOcLhSeRgHwlor2duxMc73pYk9ziRuNLoa_rHDL6EGSgL/s320/IMG_2071.JPG)
運転席側のブーツがパッカリ割れてました。
これじゃあ車検通らない。
早急にやらないとなあ。ここすんごくめんどくさい。
素人がやる仕事じゃないんだけど…。
このクルマ、果てしないわ。
取り敢えず、来月の個展までお預けです。
さ、絵描くぞ。