アーティストでデザイナーでヒーラー、サトチヒロのまぜこぜブログです。絵や芸術の話、制作過程、氣や魂やエネルギーの話、音楽の話、パイプ、オールドカメラ、クルマの話。 /アートストンギャラリー(銀座)所属
2015年7月31日金曜日
日本・フランス現代美術世界展のお知らせ
8/5から六本木の国立新美術館で、日本・フランス現代美術世界展(日仏展)が開催されます。
僕の作品も隅っこに2点ほど展示されています。お手すきの方はぜひご覧下さい。
日本・フランス現代美術世界展
2015/8/5~8/16
国立新美術館(六本木)3A展示室(三階)10:00~18:00入場無料
2015年7月23日木曜日
Samuel Gawith Fire dance flake
サミュエルガーウィズ・ファイヤダンスフレーク
原産国:イギリス
使用葉:ヴァージニア
着香:ブラックベリー、ブランデー他
フレークの喫し方については国の内外を問わずブログでも動画でも諸説フンプンいろんな自説が紹介されています。僕もこれまで散々もっともらしいことを書いてきましたが、結局は四つ折りにしてボウルにねじり込んで火付きや火持ちを気にしないフリをして喫う事が一番多いのです。ほぐすのもめんどくさいし。
こうして喫うフレークの利点は、まずはボウルが長持ちするという点です。普通のミクスチュアならせいぜい1時間、フレークは半日近く詰めっぱなしということも珍しくありません。もっともそれは火持ちの悪さによってブロー&ドローをサボればあっという間に消えてしまって火が点いていない時間の方が長いという前提付きですが。
ですが、よく考えれば一日咥えていた時代のパイプの喫い方はこんなものではないでしょうか。火を付けて一服するけれど、その時間はせいぜい数分。
ほっとけば立ち消え。
仕事に戻る。
次の休憩や思い出した時にまた火をつけて数分(数服)。
もちろん火持ちの良いフレークもあるし、火持ちが良くなくても火持ちを良くして何十分も燻らせることもできなくはありませんが、ミクスチュアのようにあんまりスパスパやっているとあっという間に舌荒れを起こしてしまいます。
僕のような絵描きにとっても、制作に夢中になっていると、いつまでも火が消えないミクスチュアなどは、過燃焼を起こして舌荒れに泣かされます。
その点フレークは。意識しないでいると火が消えてくれますから、手を休める都度火を付けてインターバルを取れるし、制作中に葉を詰め替える手間暇に集中力をそがれることもなく、そういった点ではとても助かっています。
さて、ファイヤダンスフレークは、サミュエルガーウィズのフレークの中では珍しい着香系のフレークです。開封するとベリー系の甘い香りが漂います。
と言ってもあくまでも自然なもので、他のヨーロッパ・アメリカ系にあるようなチューインガムやチョコレート系のそれとは全く違うもので好感の持てるものです。
生葉の形状はフレークですが、他のサミュエルガーウィズのフレークよりスライスが薄く、少し脆くなっています。一枚をパイプに詰めてもいっぱいになることはなく、大きめのパイプだと半分ぐらいしか埋まりません。
火付き、火持ちはサミュエルガーウィズのフレークの中ではかなり良い方です。
喫味はとてもマイルドです。ほのかな甘味はヴァージニア由来のもの。燻らす煙からもほのかにベリーのアロマが漂います。
満喫感もそれほどでなく、バイト(舌荒れ)もヴァージニア単独としては少ない方だと言えるでしょう。
サミュエルガーウィズのフレークは本格的なものばかりですが、半面火持ちや詰め方にコツの要るもの、そして味もややベテラン向きのが多いのですが、このファイヤダンスフレークは、初めてサミュエルガーウィズのフレークを試してみたいという人にとってはかなり良い選択になるのではないでしょうか。
ただ、ヴァージニアとして喫うにはややパンチ不足、キャベンディッシュとして喫うにはまだ生っぽい、ちょっと中途半端なところもあります。
この葉の肝はルームノートではないかと思います。控えめでありながら甘く艶っぽい香りは女性的ですらあります。
この葉がとある女性パイピストのために作られたというエピソードにもうなずけます。
生葉のフルーティな香りとアロマを味わいつつ、軽いアルコールと一緒に喫うのが向いています。
合う飲み物はビール、カクテル。時間帯は夕方〜。
- 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
- 甘 み 少←○○○★○○○○○→多
- 味の濃淡 淡←○○○★○○○○○→濃
- 熟成感 若←○○○○★○○○○→熟
- アロマ 淡←○○○○○★○○○→濃
- 満喫感 弱←○○○○○★○○○→強
- 舌アレ度 弱←○○○○○★○○○→強
- 火持ち度 悪←○○○○○★○○○→良
- 常 喫 無←○○○○○★○○○→有
- 個 性 弱←○○○○○○★○○→強
2015年7月6日月曜日
日本・フランス現代美術世界展のお知らせ
2015年7月3日金曜日
Samuel Gawith Skiff Mixture
サミュエル・ガーウィズ・スキッフ・ミクスチュア
原産国:イギリス
使用葉:ヴァージニア、ラタキア、オリエント
中野にもここ数年ショットバーがずいぶんと増えてオーセンティックを目指すところもちらほら。
そんな中のとある蔵酒の種類の多さを売りにしている小さなバーに入った時のことでした。
美味いウイスキーを二杯ほどいただいたところで気分も良くなりパイプを取り出すと、間髪を入れずにNGを出されてしまいました。
マスター曰く、換気の問題で紙巻きタバコは良いが葉巻とパイプはお断りとのこと。
もちろんにこやかに従いパイプを収めましたが「ああ、このバーはダメだな」と判断して早々に退散しました。
そのマスターはまだ若いですがウイスキーの利酒や歴史にとても拘り知識も豊富な様子。しかし基本的なことを分かっていない。
何かというとまず、タバコの中でもっとも煙量が多く空気を汚すのは、葉巻(シガー)でもパイプでもなく紙巻きタバコであるという点。
次に、酒の味と香りを濁して台無しにしてしまうのは、葉巻(シガー)でもパイプでもなく紙巻きタバコであるという点。
最後に、上質なウイスキー、特にスコッチは無煙でテイスティングするだけでなく、パイプやシガーと切っても切れない味覚のペアであるという点。
いくら酒の事を語れてもシガーやパイプのことを知らなければ、その知識は知識の牢屋から出ることはできない。
ワインと違ってウイスキーはストイックなグルメ志向や健康志向などのスノッブ感覚では何にも楽しめないものです。ワインや出汁を嗅ぎ分ける敏感な味覚のみで素人テイスティングをやってしまえば、いずれ日本で飲まれるウイスキーは山崎やボウモアばかりになってしまうでしょう。なぜアードベッグやラフロイグがあの味で長年飲まれてきたのか、このバーテンはもう少し勉強する必要があると思います。
まあ、とにかくショットバーでシガーやパイプを断られるというのは初めての体験でした。
さて、そんなウイスキーに似合うパイプ葉といえばイングリッシュミクスチュア。そしてその中でお気に入りのひとつがサミュエルガーウィズのスキッフミクスチュアです。
前に取り上げたスクアドロンリーダーととても良く似たブレンドですが、スクアドロンリーダーはほのかにリコリス系の着香があり、オイリーな中にも爽やかな後味がありましたが、スキッフミクスチュアは加香が全くされていない上にオリエントの配合がさらに多くヴァージニアが少なく、クラシカルかつハードボイルドな印象です。
生葉の香りはむんとしたオリエントとラタキアの香り、やや細かいリボンカット。
ややモイストで着火にコツは要るものの、火持ちは良好。
終始ラタキアとオリエントの主張が続きます。個人的にはラタキアがもう少し欲しいと思う事もありますが、全体的には過ぎず足りなくもなく余計な主張をせず淡々とtobacco本来の香りと向き合うことができるのは好印象です。
バルカンソブラニーの再来だと言う人もいます。僕はこれは正しい指摘だと思います。長いこと「バルカンブレンド」の定義や評判について悩んでいますが、バルカンをハードボイルドなオリエント系のミクスチュアとして見るならば、これほどミッドクラシカルな志向で常喫できるtobaccoはなかなかないのはないでしょうか。
味わいとか甘さとかヒントとかそういう小賢しい括りではなく、まとう煙の中でウイスキーと共にどんな服を着ていたら似合うのかを真剣に考える機会をこのtobaccoは与えてくれます。
しかしながらこのtobaccoはパイプ上級者にとっては到達点ではありません。
単なる道具です。
つまり「タバコなんてそんなこだわって薀蓄垂れてちまちま喫うもんじゃ無いだろ」という大雑把な事を言う男の煙が実は「正統派のイングリッシュミクスチュア」であり、着ているものは何のバリっと感もないが実は仕立てのスーツであった…という向きの常喫葉であると言えるでしょう。
スキッフミクスチュアを燻らす彼はまたこうも言うでしょう。「ウイスキーなんて、そんなポンコツなベロで薀蓄垂れてちまちま飲むもんじゃないだろ」
自戒。
合う飲み物はウイスキー、時間帯は夜。
- 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
- 甘 み 少←○○○★○○○○○→多
- 味の濃淡 淡←○○○○○○★○○→濃
- 熟成感 若←○○○○○★○○○→熟
- アロマ 淡←○○○○○○○★○→濃
- 満喫感 弱←○○○○○○★○○→強
- 舌アレ度 弱←○○○★○○○○○→強
- 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
- 常 喫 無←○○○○○○★○○→有
- 個 性 弱←○○○○○○★○○→強
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