2014年12月23日火曜日

LAPHROAIG 15年

今から5年ほど前、煙と無縁の生活も長くなり、酒ももっぱらワインばかりになっていたある日、突然ウイスキーにぐいっと力づくで引き戻されるきっかけになったのがこのラフロイグ15年。昔のカティ・サークと並んで、いくつかある僕のウイスキーの定点の一つです。
2009年頃の現地購入で、15年というのは現在のラインナップにはないものです。

非常に個性の強いウイスキーで、好き嫌いがはっきり分かれるウイスキーです。
素性は非常にピーティ。世界のウイスキーの中でももっともピーティな部類に入ると言われています。
第一印象は、一言で言えば「歯医者の味と香り」。
クレオソート、正露丸にも例えられますがまさしくそんな感じです。
そしてピリッとしたバイトと塩味。

ところが2口目、3口目と進んでいくうちに新鮮な海の香りと塩気が押し寄せ、郷愁を誘う味わい。爽やかなソーダのような甘みも昇ってきます。
加水でピートアロマが増し、やがてフルーティさとバニラ香が増していきます。
後味はとてもキレの良いもので、爽やかさが残ります。

ところでこのラフロイグ、パイプととても相性がいいのです。特にラタキア入りのイングリッシュミクスチュア。
西洋のお酒のマリアージュは日本のそれとは違って割りと「似たもの同士」を合わせる事が多いようですが、それは掛け算のような効果を生み出すようです。
ラフロイグは強いピート香が持ち味。ラタキアもまた強い薫香が持ち味。その両方が出会うと、突如まろやかでフルーティな味と香りが強調されてきます。まるでマスカットのようです。それはシェリーカスク(シェリー樽を使ったウイスキーはシェリー酒由来の華やかなフルーツの味と香りが漂います)のような華やかなものではなく、熟成と化合によって生まれた抑制の効いた涼やかな素性のものです。

10年との味わいの違いはそれほど大きくはありませんが、15年の方がスモーキーさがまろやかで香りの強さに較べて飲みやすさは増しています。
ノンチル(冷却濾過なし)と言われる18年はまだ味わってません。そろそろ15年が空になるので遠くないうちに飲み比べしてみたいと思っています。

飲みやすいのは水割りです。できれば氷なしで。慣れたらストレートから徐々に加水も香りの変化を楽しめます。ただし香りが開くタイプではありません。



種別:シングルモルト
原産国:スコットランド(アイラ)
容量:700ml
度数:43%
熟成:15年
樽:バーボン


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