2014年5月25日日曜日

作り手及び芸術家であること

齋田梅亭「截金菱花文飾筥」(きりかねりょうかもんかざりばこ)(1979)国立近代美術館蔵

「芸術家とは、自分が欲しいと思ったもの、コレクションしたいものを自分で作ってしまう人のことだ」

この言葉が大好きです。
記憶が確かなら、ピカソの言葉。

好きなもの、敬愛するもの。それをコレクションする。使う。味わう。
次第に自分でも作りたくなる。
模倣する。
やがて自分のオリジナルが出来上がる。

僕も。
稚拙であっても、行き当たりばったりであっても、欲しいものはたいてい作れてしまう才能を神が与えてくださった事に感謝します。

僕が作り続けてきたものは絵だけではなく、音楽、道具、アクセサリーなど、もう何でも屋。

「作りたいものを作る」

これが僕の今までもこれからも人生を通じて変わらない信念です。

もちろん、作りたくないものもずいぶん作ってきました。
そういうのは、大抵誰かに頼まれて仕事で作るものです。

でもそういうものでも、良いものもあります。
良いものはちゃんと残っている。
僕の作品であると知られていなくても世の中に溢れているものもあります。
もう十数年も前のものなのに。
そういうのはいつか「佐藤千洋」の作品だと発見される日が来ることでしょう。

名声でなく、突飛さや目新しさ、技巧などではなく
そこに潜む本質が一番大切なことです。
それは時として見た目さえも越えてしまうかもしれない。

神によって示唆と命を与えられ、それが僕自身の心を打ち、周りの人たちの心を打ち、そしてもっとたくさんの人達の心を打っていくことが僕の望み、夢です。

芸術家にとっての正しい生き方とは、そこに忠実かどうかだけです。



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