2023年6月24日土曜日

アーティストの本質

アーティストになりたがったり、憧れたり、「やっとアーティストと自称できるようになりました」とか目をキラキラさせて言っている自称アーティストが後を絶たないが、アーティストなんてそんなたいそうなもんじゃないし、そもそも憧れてなるようなもんじゃない。絵師やイラストレーターになり損なったヤツが仕方なく堕落してなるようなものだ。

自分を律して研鑽を積み、誰にも負けない努力と才能を勝ち得た者は、絵師として社会に認められ、社会の一員として真正面胸を張って生きるのだ。
それができずに、堕落し、社会の規範から逸脱し、批判と蔑みの中であえぎ、怠惰とその改悛の中にのたうちまわっているような人間こそがアーティストなのである。

「私は模範的にきっちりとやっております」というようなのはアーティストでもなんでもない。

だが、アーティスト諸君よ。悲観してはならない。堕落し、規範から逸脱し、社会からつまはじきにされ底辺であえいでいたからこそ見える美の世界と言うものがある。
その美の世界こそが、日々つましく努力をして家族や社会や国に貢献している人々の視点を変え、生きる活力と励みと癒やしを呼ぶのである。真面目に生きている大半の人々の哲学に大きな影響を与える力を持つのである。

常識にとらわれず、常識を破り、道徳から離れ、本来の人間をむき出して生き、そしてその結果苦しみ、泣き、叫び、笑い、倒れる。その中からこそ、本当の人間の真髄、本質、生き様、愛、執着、そして生命力と言うものが生まれるのである。

そしてそんな劇物のような人生から生まれたからこそ、作品たちは光を放ち、価値観や視点の変革を促し、人類全体が良い方向に進んでいく清らかな流れとなることができるのである。

堕落せよ、そして描け、作れ。描き作ったら広く世に知らしめよ。人々の手に宝物として手渡すのだ。価値を上げろ、人気を獲得せよ。それが影響力である。どんなに優れた作品であっても、広く世に知られなくてはこの世に存在しないのと同じなのだから。


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