「甌穴の片隅にて」/F40(一部)/油彩/2014 |
壁は怖い。
でも壁は必要。
壁がない方がもっと怖い。
もちろん越えなくちゃならない。
壁を越えてこそ芸術。
壁を越えてない芸術などない。
壁が見えると、今度こそ越えられないんじゃないかと不安になる。
やっぱり才能なんかなかったんじゃないかと悲観する。
何日も何日も絵の前で筆を持ったまま硬直し
この構図にしたことを後悔し、この題材にしたことを後悔する。
自分が消えてしまいそうになる。
力を振り絞って立ち向かう。
壁を越えてやると。
でも、壁は越えようとしても越えられない。
壁を越えられるのは、無心。
ぶつかって、伸び上がって、飛び上がって
無力感にうちひしがれ、進退極まって、覚悟し、無心に戻った時。
祈りと魂が意図や意識に勝った時。
神が僕に成り代わり、筆を進めてくれた時。
その時、僕の絵は祈りになる。
だから僕の絵は僕のもので僕のものでない。
そして見ている人のもの。
祈りのための道具。
神的意識のための使い。
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