2022年3月15日火曜日

神様が降りてくる方法

 僕がいつも思ってることですが、絵は自分が「こう描こう」と思って首尾一貫してもだいたいダメなんです。

計画的な絵ほどつまんない。デザインじゃないんだから。

意図的に描いて、意図的に運んで、技術で描いた絵はすぐに分かっちゃう。

上手だね、でもつまんない絵。

じゃどんな絵が面白いかっていうと

神様が降りてきて、勝手に描かされた絵が一番面白い。

神様が降りてきて描かされた絵は、それ自体が光ってる。

超越している。

上手い下手関係ない。

神様が降りてきて描かされた絵こそが芸術だ。

でも、描かされてるなんて安易に言っちゃだめだよ。


…みたいなことをいうと

「へえ、じゃ神様が降りてくるにはどうしたらいいんですか」って聞かれます。


えーと、それは


まず、毎日描くことです。

アイデアが湧いてるうちは神様は降りてこないので、アイデアが枯渇するまで描く。

そうして、もう自分でアイデア出そうなんて頑張っても出ない状態になって

ただとにかく描く。

デタラメに描く。

デタラメは下手っぴだ。

へたっぴでもいい。

キレイに描けたらもっといい。


それから、描かない。

描きたくなっても描かない。

ひたすら違うことをします。

ぼーっとしたり、遊んだり、旅に出たり。

絵とやりたくないことをやらない限り、何をしてもいい。


もうやることがなくなってつまんなくなったら、それからまた描き始める。

もうネタなんかない。


でも、旅に出たからなんか出てくるかなあ。

遊んだ時のことを思い出してみて。


パレットになんか色を出してみる。

キャンバスに塗ってみる。

叩いてみる。

こすってみる。


そうするとそのうち、神様の声が聞こえてくる

「ここはこう見える」

「ここはこう描くのだ」


お?ほんとだ。

そのとおりに描いてみる。

言われたとおりに。

変にテクニカルにいじらずに、セオリーなんか無視して筆やナイフや指を走らせる。

それがそう見えたならそのように

テーマもモチーフも、神様が勝手に考えてくれるから

なんにも考えなくていい。


あんまり欲張らずに。

「わあ!キレイだなー」と思う。


自分の手は自分で動かしてるようでいてそうじゃない。

神が教えてくれる。

それが、神が降りてくるという本当のこと。



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