ショートピース
バージニア葉
喫煙時間:標準10分、RYO約18分
ピースでRYO(Roll Your Own 手巻きのこと)
と言っても、日本たばこがRYO用の葉を出してくれた訳ではない。
もちろん出して欲しい。今すぐにでも。
ペリクのような香りと味わいを持つ高品質なバージニアの甘い香りと蜂蜜フレーバー、こっくりとしたアロマなど、現在日本で生産されているtobaccoの中では間違いなくNo.1の旨いシガレットだと思う。ちなみによく「バニラ」の香りと言われるがバニラの香りはしない。むしろパチュリやカモミールなどフローラルのブレンドされた芳香に近い。
惜しむらくは、巻紙のせいでせっかくの味わいがかなりスポイルされているということだろうか。
市販のシガレットを公害にしている元凶はアセテートフィルターと紙だ。特に紙が燃える臭いは味を損なうばかりでなく、同じ喫煙者同士でも隣で吸われてイヤな気持ちにさせられる最大の原因となる。吸ってなくてもタバコ臭い。服もタバコ臭い。それは主にパルプ紙によるところが大きい。
ピースは両切りなのでフィルターはない。また巻紙もヘンプ(麻)の割合が高いペーパーを使っている……という話だが、それでも紙臭い。吸い殻もしっかり臭い。
それで僕はピースの巻紙を取って、100%ヘンプペーパーで巻き直して喫している。
とは言っても、市販シガレットの葉は非常に細かく裁断されていて、一度バラして巻き直すのはとても手間がかかる。ローリングマシンを使わないとほぼ不可能。
そこでローリングマシンを使ったピース巻き直しのコツを紹介したい。この方法を使えば、1分もかからず巻き直しができ、格段に旨いピースを味わう事ができる。
用意するのは、79mm用のローリングマシン、ヘンプ100%の79mm用ペーパー(写真ではピュアヘンプの無漂白を使用)、カッターナイフ。
まずピースをマシンにセットする。ピースは70mmタバコなので長さが若干余る。なぜ70mmマシンにセットしないのかというと、市販のシガレットは機械巻きのためにかなりきっちり詰められているため、70mmペーパーだと余分が出てしまうからだ。79mmペーパーで巻くとちょうどよい。
次にセットしたピースの巻紙をカッターナイフで切る。 その時注意するのは、なるべくタバコ全体の形を崩さないように紙だけ切っていくこと。タバコを抑えながら切ると良い。 |
全て切れたら、巻紙だけを下から引き抜く。 この時もなるべくタバコの成形が崩れないように、葉全体を抑え、回しながら引き抜く。 |
少しバラけているが、ちょうど79mmサイズに収まる。 |
ペーパーをセットして巻く。 |
上が巻いた状態。下は元のピース。 紙の厚みが全く違っていて、中身が透けているのが見える。 |
ピースをピュアヘンプでRYOにすると、喫味はマイルドになりアロマが強く濃厚になる。
燃焼速度が落ちるので、バージニア本来の自然な甘みをしっかりと味わえるようになる。
紙の燃える臭いはほぼ解消され、爽やかな芳香だけが鼻に抜ける。
ピースをヘンプペーパーで巻き直す理由、メリットの中で最も大きいのは、燃焼速度が落ちるという点だ。市販の状態のタバコはフリーバーニングといって、ほっといてもどんどん燃えてタバコがなくなってしまうまで燃え尽きるように巻紙ができている。これだとスローバーニングができず、タバコ本来の味を味わう事がとても難しい。喫煙時間も頑張って10分程度だ。
これを燃焼補助剤の入らない手巻き紙に替えるだけで、15〜20分まで延びる。吸わなければ自然に火は消える。
これをさらに長めのシガレットホルダーに挿して喫すると、ドライ&スローがてきめんに効いて今まで全く気づかなかったピースの旨さを味わえるようになる。
シガレット喫煙者の多くは、増税や禁煙政策で高くなってしまったタバコを、安いものや軽い物に替えようとする人が大半だ。
喫煙は病気であるというスローガンの影響でまるで犯罪者のように縮こまってしまっている。自分と嫌煙者をまるで敵のように見てしまう人さえいる。
でもちょっと待って欲しい。
まずタバコとは紙もフィルターもなしで喫するのが本来の姿だった。
タバコは不特定多数のいる場所で吸うものではなかった。
時間のない時に吸うものでもなかった。
歩きながら吸うものでもなかった。
肺に入れて吸うものでもなかった。
本来は、思考と瞑想の手助けをしてくれる大切なアロマの草であった。
神聖な儀式の道具であった。
タバコを喫するには、時間と神聖な場所が必要だ。
だから、ニコチンが0.1mgなどというただの燃え草をせわしなく隔離室で吸わされて欲求不満になるのではなく、上質で強いtobaccoを味覚と誇りを取り戻して自分の書斎やバーのカウンターでゆっくりと味わったほうがずっと幸せだ。
それを実現するにはまずフィルターを取り払い、肺喫煙をやめてみる。
「吹かし」に抵抗があるなら、煙管タバコのように鼻腔内喫煙を試してみる。
そうすればタールやニコチンの量に囚われることがなくなってくる。
そして低品質な紙を燃やすのをやめてみる。
その第一歩を踏み出せるtobaccoがショートピースだ。
そしてさらに、できればRYOで。
シガレットだって趣味になる。
それだけでタバコに対する渇望がなくなる。
喫煙場所を探して彷徨わなくてもよくなる。
なぜ自分がタバコを吸うのか、変な理由をつけなくて済むようになる。
喫煙者か非喫煙者かというようなカテゴリーで自分を見なくて済むようになる。
喫煙は病気ではない。
喫煙とは趣味だ。
思考と瞑想の盟友である。
240円/10本(2014年)
- 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
- 甘 み 少←○○○○○★○○○→多
- 味の濃淡 淡←○○○○★○○○○→濃
- 熟成感 若←○○★○○○○○○→熟
- アロマ 淡←○○○○○★○○○→濃
- 満喫感 弱←○○○○○★○○○→強
- 舌アレ度 弱←○★○○○○○○○→強
- 火持ち度 悪←○○○○○○○○★→良
- 常 喫 無←○○○○○○○★○→有
- 個 性 弱←○○○○★○○○○→強
0 件のコメント:
コメントを投稿